歩行者優先 『待つ』ということ 雑感
★この1ヶ月半ほど車社会のアメリカで暮らしていて『歩行者優先』ということについて、いろいろと考える機会となった。
日本でも『歩行者優先』という言葉はよく聞くし、『横断歩道での歩行者優先』は当然の交通ルールなのだが、LAFの調査によると90%以上のクルマが日本では守っていないようである。
なぜ、『守られないのか』という調査もあって、その『守らない理由』をみるかぎり、『歩行者優先』どころか『クルマ優先』『自己優先』が明らかなのである。
最近は海外からの観光客も多いし、オリンピックももうすぐである。日本ももう少し国際水準に近づくべきだろう。
この『歩行者優先』や『横断歩道での交通ルール』もそうだが、交通ルール以外でも日本の場合は、『決めても守らない』場合が多いのはなぜなのだろう。 違反金の額をアメリカのようにべらぼうに高くするのもいいかも知れない。
アメリカの場合は、『ルールも決めたら守る』というのが身に付いていて、ホントに『歩行者優先』『住宅街での交差点一旦停止』も100%守られているし、他の交通ルールも、結構ちゃんと守られているのである。
モール内の駐車場などでも、人が歩いていたら、車は完全に停止する。当然のように車は止まるから、逆に『人は悠々と歩いている』のである。日本のように車が止まってくれたら、歩行者が小走りになったり、手を挙げてありがとうなどのゼスチャーをするようなことは殆どない。
歩行者優先は、歩行者の当然の権利というような感じで、決して急いだりもせずに悠々と歩いている。
モールの中には横断歩道らしきものがあるところもあるが、歩行者はそんなことにはお構いなくどこでも、斜めにでも横断したりするのだが、クルマはどんな状態でも『歩行者優先』を守っていてクラクションを鳴らす車などは皆無なのである。
★住宅街の道路も日本と違って4車線で、こんな住宅街の道路には信号はなく交差点は一旦停止で、その交差点に先に止まった車から順に優先発車なのである。横から出てきた車も先に交差点に入っていたらその車が優先なのである。
そんな交差点でも学校が終わった時などは歩行者がいっぱいになるのだが、その時には間違いなく『歩行者優先』で長い車の列ができて大変だが、ちゃんと待っているのは見事である。
日本人と違って『せっかちではない』というか『待つ』ということに決して『イライラ感』などを現さないのである。『待ちの文化』とでも言ってもいい。車だけでなくスーパーのレジなどでも、全くイライラ感がない。
確かに『歩行者優先』や『スーパーのレジ』などで、少々待ったところで大したことではないのは間違いないのだが、本当に『待つ』ということに寛大なのである。
★ 日本人もあまり『イライラ』せずに、もう少し『待つ』ということに寛大になればいいのでは、とホントにそう思うようになった。
この数年アメリカに行くようになってから、私は日本に戻ってからも『クルマの運転』では先を急いだりしなくなったのである。
車間距離も十分とって横から車が入れるようにしているし、兎に角ゆっくり走っているのだが目的地に着く時間などは、急いでも急がなくても2分も違ったりはしないのである。2分で車はどれくらい走るのか試されたらいい、相当な距離を走るのである。信号などが多い日本の道で、急いでも一つ先の信号でひっかかたりして、そんなに時間は変わらないものである。
『急いでいるのならそれだけ早くスタートすればいい』と思うようになっている。
ただ、そんなに待つことに『イライラ』しなくなった私だが、ロスの空港の出国検査だけは『何とかならないかな』と思ってしまうのである。確かにテロの危険もあるが靴も脱いでの身体検査で、今回は長い列で検査を受けるまでに1時間以上は優に掛ったのである。
然し、みんな黙ってじっと待っているのが、不思議である。
普通国際線に乗る場合には1時間以上前に空港に行くのは当然だとは思うが、ロスの空港の『よくある質問』を見ると『国際線に乗る場合は少なくとも3時間前には空港に着くようにしてください』などと書いてある。
『待つ』ことをいとわないアメリカだが、もう少し何とかならないのかなと思ってしまうのである。
比較すると、羽田空港はめちゃめちゃ『スムース』なのである。