2017年2月4日

Kawasaki と NPO The Good Times

投稿者 : rfuruya

関西国際大学経営学科長松本茂樹先生からFacebook のメッセージで、こんな講義の依頼がありました。
『2月4日の午前中に私のゼミ生1年生に講義をお願いできませんでしょうか。昨年よりも増えて51名になりました。地域活性化に興味のある学生が多いことに驚きます。1部で川崎重工でのお話。2部でThe Good Timesのお話でお願いします。持ち時間60分の中で、2つのテーマでお願いします。古谷さんをわれわれの目指す将来像と考えています。』
約1時間お話をさせて頂くのだが、今回はテーマが二つ明示されているので、ざっとこんな話をさせて頂こうと思っている。
Kawasaki とNPO The Good Times 』というテーマは、私の人生の『生き方』がテーマだと言ってもいい。
その骨幹を貫いているものは『差別化』である。
カワサキの二輪という事業』も『NPO The Good Times』も、まさに『差別化の産物』だし、ネットワーク』・『仕組みの創造』などのマーケッテングの基本活動と『ブランドイメージの高質化』に取り組んできたのである。
そんな『マーケッテングの本質とその具体的な展開』『実社会での目指す目標』など私の発想と生き方そのものを、幾らかでもご理解頂ければと思っている。
教室では、別に何も用意していないので、『ぶっつけ本番』の話になるのだが、そんな骨子を纏めてみた。
★ まず、1部の川崎重工時代の二輪事業については、
● 川重の中でも私が歩いた分野は、民需・量産分野の二輪事業部門で、そこでは『開発ー生産ー販売ーアフターサービス』という流れが繰り返される。その中でのマーケッテング部門は、販売そのものよりも、『販売した後の多種多様なユーザーたちの要望に応える活動』こそが最大の課題で、そんな要望に応える『大きな仕組みの創り』こそが求められているのである。
●『サービス、アフターセールス』販売後の活動こそが最大の課題なのに『販売そのモノ』ばかりに目が行ってしまいがちである。
● 2輪の販売は、4輪などとは違って、販売店のネットワークで売られる『システム販売』なのである。そしてユーザーサイドから見て『真に満足出来る販売網であること』がMUST条件なのである。
● 末端のユーザーの要望は、時代とともに変化するしその変化も激しい。購入形態なども時代とともに変化するので、それに柔軟に対応できていなくてはならない。 現代はまさにネット販売の時代なのである。
私が40年間、カワサキでやった仕事は一言で言えば『広報活動』なのである。
 
● 広報とは = PR=Public Relations = 社会におけるいい人間関係創り なのである。
● そしてその基本コンセプトが Kawasaki . Let the good times roll !  なのである。
  
    
  
1970年代にアメリカで創られたこの基本コンセプトは、『Kawasakiに出会う人たちが、ハッピーになるような活動をKawasakiは展開し続けます』というような意味で、事業展開の基盤であった。
● そして、Kawasaki に出会う人たちとは、カワサキの従業員も、販売店も、カワサキのユーザーは勿論、二輪車もJSも社会の中でいろんな方たちと出会うので、そんな社会の方たちを含んだ活動であるべきだと思っている。
これが私がカワサキで国内を統括した時の『組織と機能図』だが、
   
● 少なくとも、1990年代の国内のカワサキの事業展開は、このような基本コンセプトに基づいたトータル・システムの下に展開されていて、その一つとして、カワサキファンクラブの KAZE(Kawasaki Amuzing Zone for Everybody)は作られたのである。  https://www.kawasaki-motors.com/kaze/
● 事業展開の核は、販売会社ではなくて、株)ケイ・スポーツ・システムなど末端の社会に直結した『末端の社会・ユーザーを対象にしたソフト会社群』だったのである。
● 末端のユーザーや社会との 『イレクト・コミユニケーション』しようという『マーケッテング・システムの仕組み創り』で『社会におけるいい人間関係創り』=『広報活動』をほぼ形造っていたのだが、いつの間にか消えてしまっているのである。
● 当時は遊んでいても、自然に売れて、7万台の販売目標を達成したりしたのだが、遊んでいても7万台売れるのなら、『一生懸命頑張ったら、もっと売れる』と思われたのではないかと思っている。
     
 カワサキを退職して、今から8年前に創った
★ NPO法人 The Good Times は、『異種・異質・異地域をみんな繋いでいい時を過ごそう』という基本コンセプトで、カワサキでの活動の延長を一般社会の中で展開しているのである。   http://www.thegoodtimes.jp/
●その核となってくれてるメンバーはかってのカワサキの仲間たちだし、高橋鐵郎・田崎雅元・大槻幸雄・稲村暁・百合草三佐雄・大津信・山田 浩平・衛藤誠さんなど、こんなコンセプトに共感する方たちが個人会員30番台に並んでいるのである。
●『共感ネットワーキング』と言っていい。
● The Good Times というネーミングは、このNPO法人に出会う人たちがハッピーになるような活動を展開していこうという意思表示なのである。仕組みのベースは KAZEを進化させて創られている。
● NPO The Good Times は、Facebookや ツイッターなどと同じ『システムそのもの』で、それ自体は何もしないが、そのシステムを使う方が『上手に使えばウマく機能する』し『下手に使えば大した効果もない』のである。
●7年を経過して、その『仕組みそのもの』は100%完成していると言っていい。
● ネット(ブログ・Facebook・ツイッターなど)をベースに仕組まれているので、幾ら上手に使っても無料なので、毎月の経費は0円という多分世界で ただ一つの法人なのである。
● 個人会員・団体会員で構成されていて入会金がそれぞれ1000円・1万円である。
 団体会員プロジェクト という仕組みがあって、団体会員は自らの会員を集めることができるのである。
● 7年経って、団体会員さんが集めた個人会員は、1万人以上にもなるのだが、個人会員の入会金の殆どは団体会員の活動費として、NPO The Good Times から団体会員さんに支援している。そんな行政のようなNPO法人なので『新しい公共』を目指している。
● NPO法人の公式ツイッターのフォロワーは57万人で、それなりの情報発信力を有している。
      
★ざっとそんな仕組みだが、現在次の大きな三つの分野で、統括活動をやっている。
● WGRC: World Good Riders Club   http://www.thegoodtimes.jp/wgra/
     二輪関連で、  KAWASAKI Z1 FAN CLUB  http://z1fc.com/
          二輪文化を語る会       http://2rin-tsutaeru.net/ 
   など世界に個人会員を有しているし、その活動はそれなりに『差別化』された、高度なものとなっている。
● Ui (You & I 、お湯を愛する、友愛)  
  
  アメリカでの日本の風呂文化の普及活動など、日米の文化交流を目指している。 
      
    AT HOUSEは、 Ui の団体会員で ノーリツのお風呂関連のアメリカの会社である。
 こんなホームページをお持ちで、 https://at-house.com/  日本の風呂の文化のアメリカ普及に頑張っている。
 
 
● 燦々Sun Sun          http://www.thegoodtimes.jp/sunsun/
   
  地域活性化活動  として、活動開始3年目になるのだが、この世話人代表を関西国際大学の松本茂樹先生にお願いし、その             事務局長を殿界寿子さんが務めてくれている。
この燦々Sunsunの団体会員の一つが『三木 緑が丘 サンロードを愛する人のカイ!』でその代表世話人が殿界寿子さんなのである。http://www.thegoodtimes.jp/sunroad/about.php
 
     

 

★ NPO The Good Times の活動は、『異種・異質・異地域をみんな繋いでいい時を過ごそう』という基本コンセプトに共感した方たちを、ネットをベースに繋いで、団体会員さんの活動を支援しているのである。

特に、従業員がいるわけでもないのだが、それが自然にできる『仕組み』が出来上がっているから別に努力などしなくても、毎日会員さん同士がFacebook や ツイッターなどで出会っているし、会員さんの発信するブログは、こんな形で毎日纏めてNPO のホームページで紹介されている。  http://npothegoodtimes.blogspot.jp/

別に何の手間も掛からないから、もうすぐ84歳になるおじんでも、コントロールできているのである。

 

最後に、

私の現役時代出会って、自らお書きになっていたことを『やっている企業がある』とお付き合いが始まって、今もお付き合いのある服部吉伸先生の、私が好きな言葉の幾つかをご紹介しておこう。1990年代に書かれた『これからの流通業』だが『ソフト思考や仕組み』というのは、『汗して頑張る日本人』には向いていないのかも知れない。

 

これからの流通業』服部吉伸著
もう20年も前の私の現役時代の本だが、その中の文章から拾った言葉の幾つかである。
表現が非常に的確で、今でも間違いなく通用すると思っている。

● 流通業とは「自分の仮説の正当性を問うビジネスである
消費者の変化の本質を掴み、変化をどう自己の対策に置き換えるかと言うことが問われている。

● 仕組みを造るのは、非常に高度な仕事である。仕組みを造らずに放たらかしの形にして、創意工夫してやりなさいというのは酷である。損なやり方である。

● 仕組みとは手続き通りに仕事を進めてゆけば、意図した目的が実現できる仕組みでなければならない。現在のシステムは単なるデーターのアウトプット体系に過ぎない。

● 何が企業を変革するのか。それは企業コンセプトである。企業コンセプトを見直し再提起しなければ第二次創業とはならない。
従って企業コンセプトは方針戦略より上位の概念である。

● 意識改革ができるのは、一部の極めて優秀な人に限られ指導者の能力の一つである。意識改革を行えと言うだけでは、マジョリテイに対する意識改革は出来ない。マジョリテイに対する意識改革、それは仕事のやり方を変化させることである
そして成功が意識改革の元である。

● 通用する発想とは正しく現状を捉え説得力があり、やがて多くの人の賛同を得られる考え方を指している
ここでやがてという言葉を使っているのは、正しい考え方が最初から多数派である筈がないからである。

●『世の中には原因のある問題と原因のない問題の二つがある。原因のある問題は、原因の追究、把握、対策と言う思考ステップで課題を解決する。原因のある問題の解決に必要な能力は創造力と呼ばない。
創造力の源泉はアイデアであり思考ステップの特徴は「絞り込んで考え続けるというところにある。』

● これからの小売業、如何に組織が大きくても如何に図体が大きくても、お店を幾つもっても、すべからく専門店でなければならない。既に小売店の変化の方向は明確になっているのだ。

● 顧客の組織化にはデーターベースを活用した新しいマーケッテングを展開することが重要である。データーベースを構築するにあたってはどのようなマーケッテングを展開したいかねい核になっていないと前に進まない。自分のしたいことを明確にする必要がある。

● 企業の文化が問われている。そしてどのような思想、考え方、価値観を持った企業なのかが問われている。『うちは慈善事業をやっているのではない』と言えば、そのような企業でしかないということだ。『利益に文化の香りがする』そんな企業になって貰いたい。

 

こんな話を今日はしたいと思っています。

カワサキ時代の私の想いみたいなものを、孫の世代の学生さんに伝えたい と思っています。

技術や生産関連には多くのプロが育っているカワサキですが、なかなか『マーケッテング分野のプロ』が育ち難い環境にあるようにも感じています。

利益に文化の香りがする』そんなカワサキになって欲しいな と思っている昨今です。

 

★NPO  The Good Times のホ―ムページです

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★燦々Sun Sun です。

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雑感日記のEnglish Version です。

 

 

 

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